MRになるために必要な資格とは

2018.2.2
製薬会社へ入社すると、自社製品の勉強だけでなく、「MR認定証」という資格の取得に向けての勉強もします。
今回は「MR認定制度」について、資格が生まれた経緯から難易度、更新までお話させていただきます。

MR認定試験の導入の歴史

製薬業界において「プロパー」から「MR」へ

今では言われる機会が大分減ってきましたが、一昔前は医師や医療関係者の方々は製薬会社の営業のことを「プロパー」(宣伝者という意味の propagandist に由来)と呼んでいる時代がありました。
昭和40年代から60年代頃、医薬品市場では「添付」や「接待」等が過度に行われ、医薬品の本来の品質・有効性・安全性の理由だけでなく、薬が処方される場合も見られたそうです。

それを改善する動きの中で、
1991年(平成3年) 業界を再編するため、「プロパー」から「MR:医薬情報担当者(medical representative)」へ呼称が変わりました。

1992年MRの納入価格関与禁止・流通改善」によって、製薬会社による医療機関との医薬品の価格交渉が禁止され、製薬会社は医薬品の情報提供や情報収集を中心とした営業活動を行う方向に変わり、より高い専門知識を必要とされるようになりました。
それと同時に、知識向上とMRの資質向上のための資格試験導入を厚生労働省から示唆され導入を検討

1997年MR認定試験」が導入されました
2017年には第24回目を迎え、受験した延べ人数は15万人を超えています。

「MR認定試験」とは

製薬会社でMRとして働くために、必要な資格はありません。

製薬会社へ入社すると受けることとなるMR認定試験」は、厚生労働省認可の公益財団法人「MR認定センター」が行う民間の試験で、合格すると「MR認定証」を発行してもらえます。
国家資格である医師免許や薬剤師免許とは異なり、普通免許を保有し車の運転さえできれば企業で働くことが可能です。

しかし、MR認定証を持っているMRのみしか訪問を受け付けない医療機関もあり、ある一定レベルの知識は持っているという証明でもあるため、製薬企業の営業として今後活躍していきたいならば取得はほぼ必須条件となり、近年のMR認定証取得率をみても、96~97%の方が取得されている状況です。

異業種からの転職で「MR認定症」を持っていない方は不安に思うかもしれませんが、入社後に資格取得のための講義や合宿等のサポートを受けられますので心配ありません。

難易度は?合格率は?


「MR認定試験」は年に1回、12月に東京と大阪の2か所で行われます。

合格率は例年、約70~80%です。

製薬会社へ入社後、入社時研修の他に試験前に集中して勉強できるよう合宿をしてくれるところもありますので、真面目に取り組めば1発合格もそれほど難しくはありません。
1年目は会社のサポートや周囲のサポートが手厚く、営業の仕事の他に資格取得のための時間を設けてくれる企業が多いと思います。

しかし、もし1年目で合格できずに2年目も再受験となると、自分の営業の仕事をしっかりとするうえで、更に勉強の時間をつくりださなければなりません。
それは想像以上に大変なことで、合格率をみても初めて受験する方と再受験する方とで、かなりの差が生まれています。

再受験となると、1年目のように周囲の理解も得られにくいので、1発で取得できるよう頑張りましょう!

受験資格は?

「MR認定試験」を受験するには、以下のどちらかを満たす必要があります。

①製薬企業またはCSO(MR派遣業)で導入教育を受講し、修了認定する

②センターの教育研修施設で基礎教育300時間を受講し、修了認定する

以前は、①の製薬企業またはCSOで導入教育を修了させた人しか受験資格がありませんでした。
平成20年度から、製薬企業やCSO(MR派遣業)に入社する前の社会人を対象に、②の導入教育の一部である基礎教育(300時間)を教育研修施設で実施することができるより、修了するとMR認定試験の受験資格が得られるようになっています。

しかし、②の受験者には注意しなければならない点があります。
MR認定証は、MRとしての最低限の基礎教育やスキルと倫理観を備えていることを証するものなので、基礎教育を修了し、MR認定試験に合格しただけではMR認定証は交付されません!
製薬企業に就職して実務教育(150時間)を受け、導入教育を修了することが必要です。

更に、①、②共に導入教育を修了し、MRとしての実務経験が”6か月”必要ですので、中途入社の場合、6月以降に入社した場合、翌年に受験することとなります。

このように、社会人になってから基礎教育を受けられる施設も誕生しましたが、製薬会社やCSOへ入社すると必ず基礎教育・導入教育を受けることとなります。
MRとして働きたくて資格取得を目指す場合は入社前から勉強する必要はないでしょう。

試験内容は?

「MR認定試験」は3科目に分かれており、全ての科目で合格点を取れると合格となります。
もし、いずれかが不合格の場合は翌年以降、合格した科目を除いた不合格の科目のみ受験することが可能です。

(1)医薬品情報
(2)疾病と治療
(3)医薬概論
*医師、歯科医師、薬剤師は、(1),(2)が免除となります


(1)医薬品情報
MRが医薬品の適正使用を推進するために必要な医薬品情報、基礎的薬学知識を学びます。
・MRの資質向上のために必要なこと
・医薬品の適正使用と「医薬品の情報」
・ 医薬品情報を理解するための薬学の基礎

(2)疾病と治療
人体の構造や様々な疾病等について学びます。
・人体の構造と機能
・主な身体症状と疾病との関連についての基礎知識

(3)の医薬概論
医薬品に関する法律やルール、特性等を中心に学びます。
・MRの倫理観、業界のルール
・医薬品の特性
・薬事法を中心とした各種法的規制
・医薬品の適正使用情報の収集

医療を通して社会に貢献できるMRになるために、医薬品の総合的な知識や法律のほかに、からだの仕組み、疾病にはどのような種類があり一般的な治療法はどういうものか等、MRとして医師や医療関係者と話をする際に必要最低限の知識を学びます。
MRの仕事は医師や薬剤師、看護師など医療、医薬品のプロフェッショナルが相手となりますので、薬の名前や法律など幅広い知識をもっていることが大前提です。

テストにはテキストからしか出題されませんが、備考や図表からも出る場合がありますので、隅々まで勉強した方が良いです。
また、毎年似たような問題が出題されることがありますので、過去問もしっかり取り組みましょう。

更新期間は?

MR認定証の有効期限は5年間です
更新するためには、MR認定証の有効期限の前年3月31日までの5年間に教育研修を受講し、修了認定を受けていることが条件です。

製薬会社に勤めている場合は、毎月教育研修を受け、更新時期になると会社で自動的に更新手続きをしてもらえます。

製薬会社を退職した方やMR職を離れた方は、MR認定センターで指定された補完教育を受講し修了認定(合格)することで、更新資格が得られます。
(*MR認定証の発行をしなかった場合は失効となり、再度取得したい場合は再受験となります。)

まとめ

情報化社会が進むにつれ、MRの役割が大きく変わってきています。
今まで以上に知識レベル向上、より専門的な知識が要求されてきており、MR活動MRをするなかでMRテキストの内容を理解すること、MR認定資格を持っていることは必須条件になりつつあります。
畑違いの業界から来た方々にとっては初めて聞く言葉も多く試験勉強は大変だと思いますが、再受験となると精神的なプレッシャーや時間的なことも含め初回よりさらに厳しい戦いとなります。

なんとか1発で合格できるよう毎日少しでも勉強し、頑張りましょう!